1.はじめに
性病(性感染症)は、性行為を介して感染する病気の総称です。その中には、早期発見と治療を行わなければ、不妊症を引き起こす可能性があるものが存在します。今回は、性感染症専門医の視点から、特に放置すると不妊のリスクが高い性病を3つ紹介し、その原因、症状、予防法について解説します。
1-1. クラミジア感染症
クラミジア感染症は、日本で最も多い性感染症の一つです。特に10代後半から20代前半の若年層に多く見られます。
不妊のリスク
クラミジア感染症は無症状で進行することが多く、気づかないうちに感染が広がることがよくあります。女性では、感染が子宮頸管や卵管にまで及ぶと、「骨盤内炎症性疾患(PID)」を引き起こし、卵管閉塞や癒着が発生し、不妊の原因となります。男性でも精管や精巣上体に感染が波及すると、精子の通り道が塞がれ、精子の供給に問題が生じることがあります。
主な症状
- 女性:おりものの増加、不正出血、下腹部痛
- 男性:排尿時の痛み、尿道からの分泌物
予防と対策
コンドームの使用で感染リスクを大幅に減らすことができます。また、定期的な検査を受けたり、ドキシペップをするのも効果的です。
1-2. 淋菌感染症
淋菌感染症は、クラミジア感染症と同様に非常に一般的な性感染症の一つです。男女ともに不妊に関連する重大な疾患です。
不妊のリスク
淋菌感染症も放置すると、女性ではPIDを引き起こし、卵管や子宮周辺の炎症を誘発します。これが原因で卵管閉塞が起こり、不妊症の原因となる可能性があります。男性では、精巣上体炎を引き起こし、精子の通り道を障害するリスクがあります。
主な症状
- 女性:排尿時の痛み、不正出血、膿性のおりもの
- 男性:尿道からの膿、排尿痛
予防と対策
症状が出たら早急に医療機関を受診することが必要です。性感染症の検査を定期的に行い、感染の早期発見と治療を行いましょう。
1-3. マイコプラズマ・ウレアプラズマ感染症
マイコプラズマ・ウレアプラズマは、クラミジアや淋菌と並んで注目されている性感染症です。
不妊のリスク
これらの感染症は、女性では子宮内膜炎や卵管炎を引き起こす可能性があり、これが不妊症の原因になることがあります。また、男性では精液中の炎症反応を引き起こし、精子の運動性が低下することが報告されています。
主な症状
- 自覚症状が少ないが、女性ではおりもの異常や骨盤痛を伴うことがある
- 男性では尿道の不快感や軽い分泌物
予防と対策
定期的な性感染症検査を受け、異常があれば速やかに医師に相談しましょう。
2.まとめ
これら3つの性感染症はいずれも放置すると不妊のリスクを高める可能性があります。性感染症の多くは早期に適切な治療を行えば完全に治癒可能です。性行為におけるリスク管理や定期的な検査、適切な医療機関の受診を習慣化し、大切な生殖能力を守りましょう。
性感染症についての正しい知識と予防意識を持つことが、不妊リスクを回避する第一歩です。自分自身とパートナーの健康を守るために、ぜひ今回の情報を参考にしてください。
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記事監修
院長 剣木憲文(けんのき のりふみ)
医師、医学博士
日本性感染症学会認定医
銀座ヒカリクリニック院長
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メディア(取材)
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