1はじめに
コンジローマ(尖圭コンジローマ)は、ヒトパピローマウイルス(HPV)によって引き起こされる性感染症の一つであり、外陰部や肛門周囲、性器内部に小さなイボが発生するのが特徴です。本記事では、専門医の視点からコンジローマが好発する部位について詳しく解説し、その特徴や診断、治療のポイントについてお伝えします。
2コンジローマとは?
コンジローマは主にHPVの6型や11型によって引き起こされます。このウイルスは皮膚や粘膜の微小な傷を介して感染し、増殖してイボ状の病変を形成します。一般的には良性ですが、場合によっては再発しやすい特性があります。
3好発部位
コンジローマが発生しやすい部位は、以下の通りです。これらの部位には、湿潤環境や摩擦などウイルスが増殖しやすい要因が存在します。
まずは解剖からお勉強しましょう。特に女性の解剖が難しく、それは診断も難しいという事を意味します。
1. 外陰部
外陰部は、男女ともにコンジローマの最も一般的な好発部位です。
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女性の場合: 小陰唇、大陰唇、膣前庭、膣口などが主な好発部位です。特に小陰唇は摩擦や湿気が多いため、病変が現れやすいです。
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男性の場合: 陰茎の冠状溝、亀頭部、包皮内側に発生しやすいです。包茎の男性では包皮の内側に湿気がこもるため、リスクが高くなります。
2. 肛門周囲
肛門周囲は、性的接触がなくても感染する可能性のある部位です。特に同性愛者や肛門性交を行う人々では発生率が高い傾向があります。ただし、肛門性交をしていなくてもこの部位に発症する事はよくあります。肛門周囲の湿潤環境がウイルスの増殖を助長します。
3. 子宮頸部
女性では子宮頸部も感染の可能性がある部位です。HPV感染が持続することで、稀に悪性病変に進行する可能性もあるため、定期的な子宮頸がん検診が重要です。
4. 尿道口
尿道口もコンジローマが発生しやすい部位です。男女ともに影響を受ける可能性があり、尿道内に進行することもあります。これにより排尿時に痛みや不快感を伴う場合があります。
5. 咽頭
オーラルセックスを介してHPVに感染することで、まれに咽頭や口腔内にコンジローマが発生することがあります。この場合、見逃されることが多いため注意が必要です。
4診断方法
コンジローマは視診で診断されることが多いですが、疑わしい場合には以下の方法が用いられることがあります。
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拡大鏡検査: 小さな病変を詳細に観察します。
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酢酸テスト: 酢酸を塗布することで病変部が白く変色する現象を確認します。
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HPV検査: ウイルスの型を特定する検査が行われることがあります。
5治療方法
コンジローマの治療は、病変の大きさや数、発生部位に応じて異なります。主な治療法は以下の通りです。
1. 外科的治療
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切除術: 大きな病変や再発を繰り返す場合に用いられます。
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電気焼灼術: 電気メスを用いて病変を焼灼します。
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凍結療法: 液体窒素を用いて病変を凍結・除去します。
2. 薬物療法
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イミキモドクリーム: 免疫応答を活性化させてウイルスを排除します。
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ポドフィロトキシン: ウイルス細胞を直接攻撃する外用薬です。
3. レーザー治療
CO2レーザーを使用して病変を蒸散させる方法です。精密な処置が可能で、再発リスクを低減する効果があります。
6予防方法
HPV感染を防ぐためには、以下の予防策が有効です。
1. HPVワクチン接種
HPVワクチンは、6型や11型を含むいくつかの型の感染を予防します。男女ともに早期接種が推奨されます。
2. 性的接触の管理
コンドームの使用は感染リスクを低減しますが、完全に防ぐことはできません。信頼できるパートナーとの性行為が重要です。
3. 定期検診
特に女性は自分で見つける事が難しいので、郵送検査での自己採取だけでなく、性病に精通した医師の診察、内診を定期的に受けた方が良いです。
7おわりに
コンジローマはHPVによって引き起こされる病気ですが、早期発見と適切な治療で多くの場合対処可能です。性感染症として恥ずかしさを感じることもありますが、放置すると症状が悪化する恐れがあるため、専門医の診察を受けることをお勧めします。また、予防策を講じることで感染リスクを大幅に減らすことができます。健康な生活を送るために、コンジローマやHPVについて正しい知識を持つことが大切です。
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記事監修
院長 剣木憲文(けんのき のりふみ)
医師、医学博士
日本性感染症学会認定医
銀座ヒカリクリニック院長
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メディア(取材)
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