3きっかけ

①ストレス

まず、一番多く言われるのがストレスであると考えます。患者様の多くが「ストレスなんてないのに……」といいます。

ストレスはもちろん身体的なストレスと心理的なストレスがあります。身体的なストレスはた問えば、学生であれば勉強や部活で、社会人であれば残業や休日出勤などで体調を崩していて、眠れていない、食べれていない等の時を指します。

また心理的ストレスも原因になる事があります。大事なテストや試合の前、会社でプレゼンがある時など。でもストレスと言われて納得される患者さんは1割程度です。「最近忙しかったんです」という風に。

今日はストレス以外の原因について考えていきましょう。

 ②抗生物質の内服

これも婦人科で良く言われると思います。「歯医者さんとか、皮膚科などで抗生物質をもらわなかった？」なぜ抗生物質を飲むと膣内の細菌叢が崩れ、カンジダの住みやすい環境が生まれてしまいます。

③エストロゲン

初潮前や閉経後の方はカンジダにほとんどなりません。女性ホルモンであるエストロゲンがカンジダに関係しているという報告があります。ピルは関係があるという報告と、関係がないという報告があり、議論が分かれています。

④性交渉

最初にほとんどは性交渉ではうつらないとお伝えしましたね。確かに「ほとんどうつりません」。しかし、うつるのではなく、性交渉を激しくすることにより膣や亀頭・包皮にごく小さな傷が付き、そこからカンジダが感染してしまいます。

また、「妊活中」の方に多いですが、同じ相手としていても頻度や性交時間が長くなるとそれも外陰部の負担となって、カンジダを発症しやすくなります。

ちなみに、カンジダや細菌性膣症の時はなるべく膣を休ませてあげましょう。後述しますが、最善の治療としては、膣洗浄、膣錠、クリームがあるのですが、基本的には休ませてあげる事が最も大切です。「カンジダ気味で困っています、最後の性行為は昨日です」という患者さんは少しこちらも困ってしまいます。症状のある時は性行為はお休みするのが鉄則です！

“症状がある時は性行為はお休みする！”

 ➄体質

　先ほど初潮から、と申しましたが、大体早い女子は高校時代くらいからカンジダになりやすい子となりにくい子とが出てきます。30歳頃になり初めてなりました、という人もいますが、診断がつくと、「思い起こせば数年前も同じようになったのだった」という方もいます。遺伝子的にカンジダになりやすい体質というのがあるという報告もあります。なりやすい人は後述する予防も忘れずに行っていきたいですね。

 ⑥生活習慣

これは、最初の方の「ストレス」とも重複するのですが、とにかく身体的、心理的ストレスを体に与えない事が大切です。例えば、膣洗浄のし過ぎ、男性であれば洗い過ぎ、蒸れやすい服装、ナプキン、タンポン、お酒や糖分の取りすぎなども影響する事が分かってきました。

 ⑦実はカンジダではないパターン

繰り返すカンジダの原因について語っていて、トリッキーな事を言いますが、これもとても多いです。「私、絶対にカンジダなんです。なったことあるし、同じ症状だから」という人に限って他の菌が出る事があります。又は、実際にカンジダ陽性だけれども、混合感染している事もあります。それではカンジダ以外にどんな性病や関連疾患を疑い、何の検査をしたらよいのでしょうか。私たちの経験では、カンジダと思ったら、以下の病気だった、または混合感染していたという症例があります。