- 一般細菌とは
- 一般細菌の症状・検査・治療・副作用
- 一般細菌の検査・治療費用
- 一般細菌の予防
- 症例解説と患者様からのお声
一般細菌とは
一般細菌は、どこにでもいるような菌が性器に感染する事で起こります。原因は性行為の他、不衛生の場合や疲労などにより免疫力が落ちている時などに起こります。男性では尿道炎や陰茎包皮炎の原因となる事が多く、女性では膀胱炎や細菌性膣症の原因となります。
一般細菌による感染は性感染症(性病)と言えるか
性感染症(性病)とは、一般に性行為やそれに類似する粘膜接触のある行為で他人に感染する病気についてを言います。一般細菌は性感染症としてうつる事もありますが、単に不衛生であったり、宿主の免疫の低下などが原因となり感染する事もありますので、必ずしも性感染症に該当しない場合もあり、『性感染症関連疾患』の一つとされています。特に女性の膣や、包茎状態の男性器では暖かい湿潤環境が保たれ、細菌にとって繁殖しやすい場所です。
似ている病気とは
性感染症関連疾患として似ている病気にトリコモナスやカンジダがあります。トリコモナスは一般細菌による感染と似て、悪臭があります。カンジダは一般細菌による感染と似て、性器にかゆみが生じたり、女性ではおりものが増加します。一般細菌はその名の通り、細菌群ですが、トリコモナス、カンジダはそれぞれ原虫、真菌と呼ばれる病原体ですので、治療法(細菌→抗生剤、原虫→抗原虫薬、真菌→抗真菌薬)が異なります。女性の場合は一度にこの3つの検査が同時に受けられるおりものライトという検査セットがあり、お勧めです。
→おりもの検査はオンライン診療で自己採取して診断がつきます。オンライン診療なら他の患者様にに会わなくて済みお勧めです。
繰り返す事がある
例えば女性の細菌性膣症や男性の非特異的陰茎包皮炎というのは繰り返す方がとても多いです。その原因背景には、以下の事などが考えられます。
一般細菌による膣症、尿道炎、陰茎包皮炎を繰り返す原因
①背景に淋菌、クラミジア、マイコプラズマ、ウレアプラズマが潜んでいて混合感染している:
この場合は常に尿道、亀頭、膣などに炎症があり、粘膜に小さい傷やただれがあるため簡単に周囲の一般細菌が感染してしまいます。対処法としては定期的に淋菌、クラミジア、マイコプラズマ、ウレアプラズマの検査を受けていただく事です。
②持病に糖尿病を持っている:
性感染症に限らず、糖尿病の患者さんはあらゆる感染症にかかりやすいことが知られています。例えば水虫などにも通常の方よりかかりやすいです。その場合、一般細菌のような弱い菌にもかかりやすいため、注意が必要です。また、感染しても気づきにくい事も多くありますので、常にかかる可能性を考えながら生活していく事が大切です。かゆみや痛みに気づきにくい場合もにおいなどで気づく事もあります。
③性的な接触が多い:
風邪の予防にうがい、手洗いが有効である事と同様に性器に触れる場合には清潔を保つことがとても大切です。特に風俗などの現場では、不特定多数の方の不衛生な手や口から直接性器に触れる指入れ、クンニリングスなどで繰り返してしまう方は多いです。また銭湯やプール、ジムなど不特定多数の方が出入りする環境でも注意が必要です。
→細菌性膣症を繰り返す方は、様々な理由が考えられます。ぜひ銀座にお越しくださいませ。
自然に治るのか
抗生剤を飲まないと治る事のない淋菌、クラミジア、マイコプラズマ、ウレアプラズマに対して、一般細菌による感染は自然に治る事も考えられますが、抗生剤を用いる方がより早く治ります。特に何度も繰り返し、こじらせてしまっている場合や、症状の激しい方に関してはあまり我慢して長期戦に持ち込むよりは、しっかりと抗生剤を内服したり、膣錠を用いたり、クリームを塗ったりしてすぐに治してしまう方が良いです。
複数の病原体に感染している場合も
一般細菌に対する抗生剤は比較的マイルドなものを使う事が多く、他の性感染症(淋菌、クラミジア、マイコプラズマ、ウレアプラズマなど)が潜んでいる場合にはそれらには効かず、治りにくい場合があります。このような事があるため、検査はできるだけ幅広く行う事が大切です。
無症状の場合、治療すべきか
淋菌、クラミジア、マイコプラズマ、ウレアプラズマなどと異なり、一般に無症状で一般細菌が検出された場合の治療は不要です。
治癒確認は不要
治療のゴールは症状がなくなる事にあります。したがって、治癒検査は一般に不要です。ただし、菌の量を見て確かめたい場合やしっかり菌が消失した事を確かめたい方はご希望により検査可能ですので、ご相談ください。
症状・検査・治療・副作用
男性の症状
尿道炎では排尿時の痛み、尿道のムズムズ感などがあげられ、他の尿道炎症状ととてもよく似ています。先入観として一般細菌による感染の症状は軽度と思う人が多いですが、実は逆の事が多いです。淋菌性尿道炎のように激しい痛みと膿が出る場合も少なくありません。また一般細菌感染による陰茎包皮炎では亀頭や包皮が赤く腫れ、白いカスがでる事があります。こちらはカンジダと合併する事がとても多いですので同時に検査をするのが良いです。
女性の症状
女性では指入れやクンニリングスで起こる事が多く、外陰部のかゆみ、おりものの増加、アミン臭の原因となります。
→症状のある方は、お電話にて当日のご予約を承っております。
検査
感染が疑われる部分から検体を採取して確認します。検査のタイミングは感染機会の直後から可能です。
男性 | 初尿 |
---|---|
女性 | 膣ぬぐい液 |
一般細菌の治療について
性別や感染部位によって、飲み薬、クリーム、膣錠などによる治療を致します。
一般細菌の治療の副作用について
かゆみ、発疹、蕁麻疹、だるさ、筋肉痛など報告されております。このような症状が出た場合はすぐに担当医師へご相談ください。
一般細菌の検査・治療費用
病名 | 検査費 | 治療費 |
---|---|---|
細菌性尿道炎 |
性器尿 ¥3,300 |
飲み薬1週間分 ¥5,390 |
非特異的陰茎包皮炎、亀頭炎 |
性器皮膚ぬぐい |
クリーム ¥1,320 |
病名 | 検査費 | 治療費 |
---|---|---|
細菌性膣症 |
膣分泌物 ¥3,300 おりものライトとして ¥7,150 |
飲み薬1週間分 ¥5,390 膣錠6日分 ¥1,980 クリーム ¥1,320 |
表示価格は全て税込です。
治療に際して、上記の他に処方料¥220がかかります。
診療料金
初診料 | ¥1,650 |
---|---|
再診料 | ¥1,100 |
内診料 | ¥1,650 |
膣洗浄 | ¥330 |
処方料 | ¥220 |
一般細菌の予防
セックス、オーラルセックス、アナルセックスでは、必ずコンドームをつけてください。またコンドーム以外にも不特定多数の集まる風俗、銭湯、ジムなどでの特に手指衛星を心がけるようにしてください。
動画でわかる、一般細菌による性感染症
一般細菌による性感染症について、もう少し詳しく知りたい! という患者様へ
当院の院長先生が作成された動画をご参考にしてください。
症例解説と患者様のお声
*銀座ヒカリクリニックでは患者様ひとりひとりのご経験を貴重な症例としてとても大切にしています。Googleの口コミは、お名前が出てしまうのでご協力が難しい患者様には、“未来の患者様の為に”院内のアンケートにお答えいただいております。ここでは実際の患者様の症例と院長先生(ノリ先生)の解説、患者様のお声を匿名化してご紹介いたします。
コロナ感染と、洗い過ぎが原因で亀頭炎になってしまった一例
30歳代男性
3週間程前にコロナ感染し、体力が落ちて、シャワーで陰部をごしごし洗ってしまいました。それから、亀頭や包皮に赤み、カス、腫れがあります。最後の性行為は記憶にないくらい前です。婚活中です。
糖尿病はありません。アトピー性皮膚炎はもともとあったけど小学校3年生頃にはよくなりました。
【その後の経過】
診察では包皮全体に赤みを認めました。検査結果は一般細菌2+、カンジダは陰性でした。細菌性の亀頭包皮炎の診断で軟膏が処方されました。
【専門医の解説】
性器の皮膚はとてもデリケートです。この方のようにコロナ感染や風邪をひくと肌荒れを起こしてしまったり、強く洗いすぎてしまう事で状況を悪化させてしまったりします。そのような時には皮膚のバリアが損なわれているため、性行為は控えた方が良いです。亀頭炎の場合は一般細菌やカンジダの検査を行い、軟膏を塗って様子を見る事が大切です。
【患者様からのお声】
多分洗いすぎが原因だと思いました。不安だったので、検査と処方を同時にしてくれて本当に安心しました。ありがとうございました。
性交渉の頻度が多くなってしまい発症したと考えられる亀頭炎の一例
40歳代男性 会社員
最近3週間で性行為を何回かしていて、今、皮の周りがかゆいんです。荒れている感じがする。洗い過ぎなのかな。久々に会った彼女と激しくやったというのもあるんですが、別れたばかりなので、コンドームはしなかったんです。皮がひりひりするかなと言う感じです。要は亀頭炎だと思うんです。検査とお薬下さい。
【その後の経過】
ペニスの皮膚ぬぐい検査が行われ、軟膏3種が処方されました。検査結果はカンジダは陰性、一般細菌も少量でした。
【専門医の解説】
結果の解釈として、カンジダは陰性、一般細菌も少量であればそれほど悪さしていないかもしれません。一般細菌が3+等であればとても多く、顕微鏡一視野当たりに30匹以上いる事にありますが、1+であれば1-5個でそれほど悪さはしません。この方の場合は、性行為による機械的刺激や洗い過ぎによるものと考えられ、診断名は接触性皮膚炎による陰茎包皮炎、いわゆる亀頭炎となります。
【患者様からのお声】
僕はこの1か月間たくさんの人としました。でも風俗とかじゃないし、普通の人たちだから、しかも年配の。年配と言っても僕ももう40歳なのだけど、でも普通の人とでも性病になるからね。一応検査したほうが良いよね。また来ます。
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記事監修
院長 剣木憲文(けんのき のりふみ)
医師、医学博士
日本性感染症学会認定医
銀座ヒカリクリニック院長
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